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山本太郎と「れいわ新選組」と「MMT理論」

Yusuke
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キワモノ扱いされ、諸派とされてきたれいわ新選組、今回の参議院選では、二議席を獲得し、政党交付金の配分に与かれるれっきとした政党になり、大躍進を遂げたといっていいでしょう。そして党首の山本太郎氏は4億円を上回る寄付金を集め、選挙後も「政権を狙っている」と言い切っています。その自信の背景には、今回れいわ新選組から立候補した大西つねき氏の唱えるビジョンが少なからず影響しているのではないかと思われます。そして大西つねき氏のビジョンの核となるのが、現代貨幣理論=MMT理論なのです。そこでこのMMT理論を検証してみました。

この MMT 現代貨幣理論っていうのは、結局お金とは何か、お金の本質は何かということの事実を述べている理論なので特に新しい経済学説とか難しいこと言ってるわけではないようです。お金というものをよく考えてみたらこういうことですよねと言ってるに過ぎないということです。そうすると税の役割も、どういうものなのかってことが、自ずと見えてくるということです。

この MMT( Modern Monetary Theory)は日本では現代金融理論と新聞記事には書かれることもありますけれども、どちらかというと「現代貨幣理論」のほうが訳としては適切ではないでしょうか。それでそのアメリカの方で、アレクサンドリア・オカシオ・コルテスさんがこのMMT理論を使ったらどうかということを主張し、そしてまたそれを理論的に裏付けをしているステファニー・ケルトンというニューヨーク州立大学の教授の方が、最近頻繁にいろんな発信をしており、来日もしています。で、これについて著名主流派の経済学者とか、政策当局、あるいは投資家とか、アナリストとかが、軒並みこの MMT を批判して、ちょっとした騒ぎになりました。普通はここまで批判されると、それで終わるんですけど、なんと MMTの経済学者であるステファニー・ケルトンらが、昂然と反論いたしまして、大論争を巻き起こしました。この論争は欧州にも、また最近では日本でも話題になっていると言った具合です。

けれども実のところ、この MMT は古い淵源がありまして、20世紀初頭のクナップというドイツの経済学者、あるいはかの有名な、ジョンメイナード・ケインズあるいはシュンペーターの影響を受けており、またアバラーナー・ハイマンミンスキー、こういったそうそうたる大経済学者の業績を基礎としていまして、1990年代、このミンスキーの弟子にあたるレイという先生や、あるいはオーストリアのミッチェルという先生あるいは、投資家のモズラー、あるいは先ほどのケルトン、こういった人たちの貢献によって、一つ整合性のある理論体系として90年代に出来上がっていたということです。脚光を浴びたのはごく最近ですけれども、ずっと前からあったのです。

主流派経済学の教科書には全然出てこない、多分、主力経済学者は、MMT ってよく知らないんだろうと思いますが、まあそういった意味では主流派からすると、異端の学説だと言っていいのかもしれません。

近頃、 MMTが話題になって、4月17日の財務省の財政制度等審議会の資料で4ページくらいに渡って、 MMT が取り上げられていますが、要するに主流派の経済学者とか 、FRB の議長とか、ノーベル経済学賞を取ったポール・クルーグマンとか、そういった人たちが、とんでもない理論だという風に批判をしているというのが掲載されています。

なぜそんなに叩いてるんだろってことを中心として、MMTとは何か?についてできるだけ説明をしたいと思います。

たぶんMMTは、整合のある、体系的な理論ですが、最も簡単に MMT を説明すると多分こうなるでしょ。

 

1.MMTの主張の骨子

 MMT 論者の主張というのは 日本・アメリカ・イギリスのように自国通貨を発行できる政府、厳密に言うと政府と中央銀行は、要するに財政破綻、デフォルトはしない、債務不履行はしないという主張です。デフォルトしているのは外貨建ての国債のみであって、日本・アメリカなどは自国通貨を発行できるんだから、自国通貨を返せなくなるって事はありえないということです。したがって財政破綻はしない、デフォルトをしないので、政府はいくらでも好きなだけ支出ができるということになります。要するに財源の心配はいらない。要らないんだけれども、ただ供給の側からの制約がある、つまりいくら欲しいと言っても、供給ができないんだったら、つまり作れないんだったら買えなくなるので、そこに限界がある、その程度の議論なんですね。

この MMT理論をフリー・ランチに例えると、いくらでも好きなだけランチを注文できる、金の心配は無用、ただランチの数に限りがあるから、注文しても出てこないことがあってそれは困るけどねと、そういう話なんですね。

ところがまあMMTを批判する経済学者とかは、そんなうまい話はないってよく言うんです。

でも、ここに書いてあることそれ自体は、先ほどあげた批判する人たちも実は同意している、あるいは同意することができる単なる事実を述べてるだけなんです。

これはその財務省のホームページに出ていますが 、GDP 残高のよく見るグラフですけれども、日本は最悪ですが、事実上財政破綻したギリシャや、財政危機と言われてるイタリアは、GDP 比の債務残高が日本よりもはるかに小さいんですね。それなのにどうして、こっちが先に破綻をとか言われるようになったんでしょうか?もしギリシャが破綻する水準でしたら、実は2006年に日本はもとっくに破綻をしてるはずなんですが、それがそうなってないからくりは簡単で、ギリシャとイタリアはユーロ加盟国でして、自国通貨の発行ができなくなってるんですね。ユーロは発行できないんですね。そういう場合は、自国通貨建ての「国債」は発行できないので、その場合はデフォルトのリスクはある。ただ日本やイギリスやアメリカはデフォルトがないと言うことができます。

自国通貨建ての「国債」はデフォルトしないっていうのは、実は財務省も同意をしてるはずです。これは財務省のホームページに書いてあるんですが、2002年の5月に、外国の格付け会社が、日本国債の格付けを格下げしたら、財務省は反論の意見を出した。それが出てますが、そこにちゃんと日米など先進国の「自国通貨建ての国債」のデフォルトは考えられないと書いていて、従って MMT のこの議論に関しては、MMT を批判する人たちも多分受け入れているということだと思います。ちなみに財務省のホームページには、「国債は、手軽で安心選ばれる理由があります」とありまして、元本割れなし、国が発行だから安心って書いてあります。ですから、日本政府の公式見解も、その日本の国債、円建ての国債っていうのは、デフォルトしないということを認めているのだと思います。

 

2.税の問題

ただ、ここからややこしくなるんですけど、政府は、国債はデフォルトしないことを認めるのであれば、国債を発行して支出を確保できるので、財源の心配がないということになる、では何の為に国民に税金を課しているんだろうかって議論になります。

この点については MMT はこう答えます。

①不換紙幣をおカネとして流通させるために

よくある議論ですけども、お札という紙切れ、一万円というる単なる紙切れが、なぜお金という価値を生み出すんだろうという疑問がわきます。それは納税という制度と密接に関係があるっていうのが MMTの洞察なのです。

そもそも政府は、円とかドルとかポンドか、通貨を法律で定めますが、次にやることは、政府は国民に税を課しまして、その税の支払いは、自分たちが決めた通貨、日本だったら円で払いなさいといいいます。納税手段として、自分たちで決めた通貨で納税する。そうすると、円とかドルとかそういう通貨は、納税義務を解消するための手段としての価値を持ちます。

納税義務の解消手段として価値を持つので、みんなそれを欲しがる。その結果、例えば取引の手段とか、貯蓄の手段に使われて、いわゆるお金として流通する。従って通貨と納税は非常に重要な関係にあるということです。

②デフレ、インフレを調整するための手段として

もう一つの洞察はですね、政府は財源の心配はないのだから租税は、実は財源を確保するための手段ではない。そうではなくて、経済を調整するための手段として税は必要だと言うんですね。

例えば税を軽くすると何が起こるかというと納税義務の手段としての通貨で納税するという需要が低くなるので、国民はカネよりも物を欲しがるようになる。要するにお金の価値が下がるわけですね。お金の価値が下がると、裏を返すと物価が上がるということで、これはインフレ圧力になるということです。

逆に税を重くすると、今度はみんな税金を払わなくちゃあいけなくなるので、お金を使わないで、税金を払うために取っておかなきゃいけないわけですね。それで国民は物よりもカネを欲しがるようになります。お金を欲しがるということは、お金の価値が上がるっていうことですね。裏を返すと物価が下がるってことなので、これはデフレ圧力ということです。増税っていうのは従って、デフレを引き起こすということになります。

③そのほかの理由

ほかにも税のお使い方があって、例えばお金持ちにより重い所得税を課すと、当然所得格差が是正できます。従って平等な社会を作るための手段として税制があるの、つまり税は財源確保の手段じゃなくて、平等な社会するための手段である。あるいは温室効果ガスの排出に税を課すと、温室効果ガスを抑制できます。この場合は税は、財源確保の手段ではなくて、地球温暖化抑止の手段になります。

3.なぜ今、消費税が問題か

まあその温室効果ガスの排出を抑制したければ税を課せ、消費を抑制したければ税を課せということで、実際ですね消費増税すると消費が抑制できるということで、      消費増税5%の時に、見事に消費が抑制されています。その後だんだん復活するんですけれども、消費税8%の時も抑制をしています

ということで、このグラフからわかることは、その消費税5%の下がり方、8%の抑制の幅っていうのは、リーマン・ショックや東日本大震災と同じぐらいの抑制効果があります。同じ効果あるだけじゃなくて、リーマンショックや東日本大震災よりも長く抑制効果があったということで、消費税による消費抑制効果っていうのは、リーマンショックや東日本大震災よりも効果的だということになります。

 

4.MMT批判の内容

以上、「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」、「税金は財源ではない」ということを述べてきましたが、 このこと自体は、MMTの批判者や日本政府だって認めてるいいことなんです。ではなぜ、MMTは批判されているのでしょうか?

 

①インフレを招くという批判

MMTの批判の一、財政赤字の拡大はインフレを招くという批判なんですけど、これについてMMT論者は、「もともと私も、そう言ってますよ」と言います。つまり財政赤字はインフレを起こすってことは、MMT論者も賛成してるし、そもそも批判になってないです。

なぜか? 財政赤字ということは、政府が財政執行をして政府支出が多くなったことを意味します。つまり市中に出回るおカネが増えます。するとお金の価値が下がり、モノの値段が上がってゆくインフレ状態になってゆきます。つまり借りたときより返す時の方がおカネの価値が下がる状態ですから、人々は借金してでも車や住宅を購入しますから、財政赤字を拡大して必要なもののためにお金を使った方がいいでしょう。今の日本は20年もデフレに苦しんでいます。そうであればデフレ脱却には財政赤字を拡大してインフレ傾向を作り出すことが必要だということになるはずです。デフレで苦しんでいる日本が、歳出削減を言い、消費増税をしているのはいったいどうしてなんでしょうか?

おそらくMMT批判者は、際限なく財政赤字を増やすと、バブルが起こり、ハイパーインフレを引き起こしてしまうことを懸念しているのかもしれません。たしかにインフレ率が、例えば20%とか30%になったりすると困る、でも、目標の比率を4%にして、4%になるまで財政赤字を拡大して、デフレを脱却し、4%になりそうになったらやめる、そういうことだったら財政規律にもかなっているから問題ないと言えるのではないか。

 

日本の場合は、資産価値が半分になるというバブル崩壊があったときに、当然物価がドーッと下がって、このままデフレに突入する危険な時に消費増税をやりました。消費増税ですから増税分だけ物価が上がって見えるんですけども、当然その後、消費を抑制するので物価はドーンと下がって、1998年からデフレになって、未だに抜け出られていないという中で、そろそろ抜けられるかなあというような雰囲気の時に、2014年消費税を行ったのでまた落ちちゃったということでして、ずーっとデフレ、あるいは低インフレだったにも関わらず、消費増税をなんと日本は2回もやってるんですね。

②金利が高騰するという批判

2番目のMMTに対する批判は、金利が高騰するという議論でして、財政赤字を拡大すると、いずれ財政赤字をファイナンスしている民間貯蓄が、そのうち不足するだろう。不足すると、お金が足りなくなって金利が高騰する。金利が高騰すると、財政負担が膨らむぞという風によく言われるのですけど、これは、さっきのインフレ起こすぞと違って、こちらの方は実は根本的な事実誤認です。

これは結論から言いますと、財政赤字の拡大で民間貯蓄が不足するということはありえないんですね。

このことを理解するためには、そもそもお金を貸すとか、お金を借りるって言うことが、何なのかってことを理解する必要がありまして、それは「信用創造」ということです。

これは何かっていうと、普通一般にそう思っている人が多いんですけれど、銀行の働きは、個人や企業からお金を集めてきて、それを元手に、企業とかに貸出しを行っている、預金を集めて貸し出しを行っていると、みんな素朴にそう思っているんですが、これは実は根本的な間違いです。

実際にはこうです。銀行が「貸し出しを行うと預金が生まれる」、つまり、もともと元手がないのに、「貸し出し」をする、そうすると預金が生まれる、これを信用創造と言います。これが本当のところなんですね。

例えば銀行員は何をしているかというと、手元にある1000万円を借り手に貸しているのじゃなくて、借り手の口座に1000万円と記帳するだけなんですね。そうすると1000万円の預金が、借り手の口座に生まれます。逆に今度は借り手が返済すると預金は消えますので、貸すとお金が生まれて、返すとお金が消えるという事になります。これが実は信用創造という仕組みで、これがもう近代資本主義経済の根幹にある銀行制度の要なのですね。

この「貸し出すことによって預金が生まれる」っていう、この不思議な現象は、銀行だけができます。銀行以外はこんなことはできません。実は銀行っていうのは「預金」と言う通貨を創造できる特別な制度になっています。

例えばこれはイングランド銀行は、銀行制度についての誤解が多いもんですから、2014年に Money Creation IN THE MODERN economy で簡単な解説文を書いているんですが、そこにこう書いているのです。

「商業銀行っていうのは、新規の融資を行うことで銀行預金という形式の貨幣を創造する」と言っています。イングランド銀行の見解もそうなのですね。あるいは日本でも全国銀行協会の冊子には、「銀行が貸し出しを行う際は、貸出先企業Xに現金を交付するのではなく、Xの預金口座に貸し出し金相当金額を入金記帳する。つまり銀行の貸出の段階で預金は創造される仕組みであるということになっています。

 

要するに、「貸し出しが預金を生むのであって、預金は貸し出しを産まない」、これが重要なポイントです。ということは銀行の貸出というのは、元手となる資金の制約を受けません。その逆に貸し出しが預金を生む。ということはですね、政府に対する貸出だってこれと同じなはずなのですね。

したがって結論から先に言うと、政府の財政赤字は民間貯蓄の制約を受けるはずがない、その反対で、政府赤字=財政支出をやると、民間の預金が生まれるのです。

赤字財政支出をすると民間の預金が生まれるのだから、財政赤字が民間貯蓄不足に直面することなんかありえない。従って金利の高騰もありえない。

ただし、政府は銀行に口座を持っいないので、民間銀行から直接借りられないのですね。政府は中央銀行にしか口座を持っていません。日本政府は日本銀行にしか口座を持っていませんので、実際のオペレーションは、こうなります。

簡単に言うと、中央銀行つまり日銀が、政府に信用創造をやるって事になります。

順番に言いますと、A銀行が国債を購入すると、そのA銀行保有の日銀当座預金は、政府が開設する日銀当座預金勘定に振り替えられる。政府は例えば公共事業発注するにあたって、X建設会社に、政府小切手で例えば1億円を支払います。そうすると、そのX建設会社は受け取った政府小切手1億円を、自分のB取引銀行に持ち込んで、代金の取り立てを依頼します。取り立てを依頼されたB銀行は、それに相当する金額をそのX建設会社の口座に記帳する。ここで新たな預金=お金が生まれています(お金が市中に出回るので金利が下がる)。と同時に、その小切手が持ち込まれたB銀行は、日銀に代金の取り立てを依頼すると、ここで政府保有の日銀当座預金(これは国債がA銀行へ売却されたことによって入手されたもの)が、そのB銀行の日銀当座預金に振り替わって、B銀行の日銀当座預金が増えます。

1.ここで重要な事実がありますが、わかりました?

最初に国債を買ったA銀行から日銀当座預金が政府に移りました。

最後に同じ金額分が、政府保有の日銀当座預金から、政府小切手を経由してB銀行の日銀当座預金に、結局戻ってきました。

もちろんAとBは同じ銀行じゃありませんが、マクロ的には同じ市中銀行に戻ってきました。

なおかつ政府の日銀当座預金も±0となります。

ということは、両方とも同じ日銀当座預金で決済しているので政府が借りるお金が、無くなるって事はあり得ないということになります。

もう一つ重要なポイントがあります。

④で取り立てを依頼されたB銀行は、それに相当する金額をそのX建設会社の口座に記帳する。ここで新たな預金=お金が生まれています。そのお金がX建設会社の社員の給与などとして支払われ、やがて市中に出回ります。結局政府が国債を発行すると、家計の貯蓄が増えるということになります。

 

参考文献:「奇跡の経済教室」中野剛志 kkベストセラーズ,私が総理大臣にならこうする」大西つねき 白順社,

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