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糖尿病網膜症と症状

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1.糖尿病網膜症とは

糖尿病の合併症の1つで目に起こる病気が「糖尿病網膜症」です。
日本には現在糖尿病の人が、糖尿病予備軍の人までいれると2,000万人以上もいると言われています。
そのため糖尿病網膜症になる可能性がある人もたくさんいる私たちにとって身近な病気なのです。
その原因は、食生活やライフスタイルが欧米化したこと、ストレスを抱えやすい社会環境などにあると言われています。
糖尿病の三大合併症と言われているのは「糖尿病腎症」、「糖尿病神経症」、そして「糖尿病網膜症」です。
定期的に検診を受けて早期発見、早期治療をすれば病気の進行を抑えられます。

糖尿病網膜症は、糖尿病によって目の中にある組織の網膜が障害を受けてしまい、その結果として視力低下を引き起こしてしまう病気です。
成人後に失明する主な原因となっている「緑内障」と共に「糖尿病網膜症」も大きな原因の1つとなっています。
糖尿病網膜症が原因の失明は「中途失明」とも言われています。
今まで目の見えていた人が人生の途中で突然視力を失ってしまうからです。
小さい頃から見えない人はそれを補う様々な手段を身につけているのですが、40代、50代になって突然見えなくなってしまうと状況の変化になかなか対応できません。
まして40代、50代など働き盛りの年代が突然視力を失ってしまう。
とても怖い病気です。

網膜は目の中に届く光を刺激として受け取って脳の視神経へ伝える組織です。
網膜は0.2mmくらいの膜状の組織で眼球の大部分を占める硝子体を3分の2くらい覆っています。


動脈血管や静脈血管がたくさんあり、さらに光や色などを感じ取る神経細胞もたくさんある場所です。
網膜内の血管はとても細いため、糖尿病になって高血糖状態が続くと血液中にブドウ糖が過剰になってしまい血管が損傷を受けてしまいます。
血管が徐々に詰まってきたり、変形してきたりして出血してしまいます。
この症状が糖尿病網膜症です。

糖尿病網膜症は、糖尿病の進行状況によって大きく影響を受けます。
糖尿病は膵臓の分泌するホルモンの「インスリン」が不足したり、働きが悪くなったりすることで起こります。
インスリンは、食べ物として体内に摂取したブドウ糖を全身の細胞へ届け活用させる大切なホルモンです。
この働きが低下してしまうと血液中にあるブドウ糖が全身の細胞へ取り込まれなくなってしまって高血糖状態が続いてしまうのです。
高血糖の状態が続いてその結果網膜内の血管に障害が出てしまう、それ糖尿病網膜症です。
糖尿病患者の40%もの人に糖尿病網膜症の症状が見られます。

 

2.症状

具体的な糖尿病網膜症の症状について説明します。
精密眼底検査を行うと、症状の進行段階をきちんと把握することができます。

糖尿病網膜症の初期段階では、自覚症状はほとんどありません。
糖尿病網膜症は糖尿病を発症してから、数年あるいは10年くらいの間に発症します。
初期には症状はほとんどないので、症状を自覚したころにはかなり進行してしまっています。
しかし目の中の血管を見たとき、針の先で突いたみたいな小さな出血があるとか、毛細血管が膨らんで毛細血管瘤ができていたり、血管がつまってシミができていたりするなど少しずつ異常な症状は表れてきます。

中期段階では、ほとんどの人がまだ自覚症状はありません。
しかし視界がかすむといった自覚症状が出る人もいます。
この段階では目の中の血管が詰まってきています。
血管が詰まり酸素欠乏になりあちこちにシミが出てくるのです。
静脈が異常に腫れるとか、毛細血管の形の不規則さを確認できます。
この段階でも急激な視力低下などはありませんが、危険な状態へと近づいています。
この段階で、レーザー光凝固の治療を行うと良い効果が期待できます。

末期段階では、視力が低下したり、飛蚊症が起きたりします。
さらに失明してしまうこともあります。
飛蚊症は、その字の通り、蚊みたいな小さな虫が目の前に飛んでいるように見えたり、煙の煤みたいなものが見えたりします。
目の中の血管には大きな出血が見られます。
正常ではない新しい血管が硝子体へのびてきて、硝子体の中で血管が破れるといった硝子体出血もあります。

網膜内の出血によって黒いカーテンが目の前にかかっているようにも見えます。
網膜剥離とか緑内障などの病気を併発してしまっていることもあります。
ものを見るためにとても大切な網膜の中心にある「黄斑」というところへ病変が及んでしまうと急激に視力低下を起こします。

このような症状の進行がどれくらいのスピードで進んでいくのかは人によって違います。
血糖のコントロールがしっかりとできている人は進みも遅くなりますし、末期段階の網膜剥離、失明といった段階まで進まずに進行が止まって症状が安定する場合もあります。
比較的40代、50代など若い人は進行が速いため注意しなければいけません。

3.治療方法

「糖尿病網膜症」を完全に治すことはできません。
ただし正しい治療を受けることで症状の進行を抑えたり止めたりすることはできます。

糖尿病網膜症の治療方法は症状の段階によって違ってきます。
<初期段階>
糖尿病の治療と同じで血液中の糖分の量をコントロールしていきます。
糖尿病網膜症の原因である糖尿病を改善していかなければ、また同じ病変が起きてしまうので血液中の糖分量をしっかりとコントロールして進行を食い止めます。

<中期段階>
糖尿病網膜症が進行すると、虚血状態の網膜が不足している酸素を補うために新しく血管をつくってしまいます。
これが新生血管と呼ばれるものです。
新生血管はとてももろくて破れやすいのでこれが硝子体の中で破れることにより硝子体出血を起こしてしまいます。
この新生血管を発生させないように「レーザー光凝固術」という治療方法が有効です。
レーザーで眼底を焼いて新生血管を発生させないようにします。
病変の広がりによって照射部分は異なります。
網膜の一部だけにレーザーを照射するのが「局所網膜光凝固術」、そして黄斑を除いて網膜全体を凝固するのが「汎網膜光凝固術」です。
1回あたりの照射時間は15分ほどで、数百か所を凝固することができます。
3回から4回に分けて外来診療で行います。
これは新生血管を発生させないようにする方法なので、視力を回復させることができるわけではありません。
しかし出血や白班の治療にはなります。
何よりも糖尿病網膜症の進行を止めることができます。
網膜光凝固術は、病気の進行を抑えて失明を防ぐため大切な治療方法となります。
早期の場合には、約80%という高い効果が見られます。
しかし強い痛みがでてレーザー照射を続けられない人もいます。
最近は「パターンスキャンレーザー」という高出力、短時間、痛みも少ないという照射も行われるようになってきました。

<末期段階>
網膜剥離などの症状がでてしまっている場合には、外科治療が行われます。
網膜光凝固術で効果がなかった場合や、糖尿病網膜症が進行してしまっている場合、視力低下が急激に進んでしまった場合には「硝子体手術」を行います。
出血により濁ってしまった硝子体を除去したり、出血している増殖膜を除去したりします。
網膜剥離の場合には、眼内へ空気を入れて元の場所へ網膜を戻します。

まとめ

先程も述べましたように糖尿病網膜症の初期段階には自覚症状がないため自分で気がつくことはほぼ不可能です。 自覚症状がでたときにはすでに中期、末期になってしまっています。 自覚症状がでたとき、慌てて病院を受診してもできる治療は限られてしまっています。 特に糖尿病網膜症は完治する病気ではないため、少しでも早い段階で症状を止めることが大切です。 病院で「糖尿病」と診断を受けたら、合わせて「糖尿病網膜症」も疑ってかかってください。 視力低下、眼の違和感など自覚症状はなくても必ず眼科を受診してください。 糖尿病の人は、そのとき何もなかったとしても、その後も定期的に眼科を受診して目の健康状態に気を配っていく必要があります。 糖尿病の人は、1年に1回は眼科で網膜症の検査を受けるようにしましょう。 糖尿病の人に配布される「糖尿病連携手帳」にも糖尿病網膜症に関して記入する欄が作成されています。 糖尿病を診察する医師と眼科医が別の病院にいる場合などこの手帳を見せると情報共有しやすくて便利です。 糖尿病ではない人も、加齢に伴って目の定期的な検診をおすすめします。 見えるから大丈夫とか、視力は落ちていないと油断していると、あとから大変なことになってしまいます。 もっと早く受診していれば良かったと後悔しても遅いのです。 眼科の検査では、眼底検査を行います。 眼底検査で網膜を観察して網膜症の診断をします。 この検査で網膜症が疑われたら次に蛍光眼底撮影をします。 眼底の血管に詰まっているところや細いところがないか確認します。 また造影剤が血管から漏れていないかを見て血管の破れている箇所をチェックします。 糖尿病網膜症は初期段階を過ぎたら、治療をしても網膜を元の状態へ戻すことはほとんど無理です。 糖尿病網膜症の治療が完了した人も、血糖のコントロールには引き続き気を配って、定期的に検診を受けるようにしましょう。 血糖のコントロールが上手にできていないと再燃してしまう可能性が高いです。 さらに糖尿病網膜症には、糖尿病以外にも、「高血圧」とか「脂質性異常」の病気も関係していると言われています。 こうした生活習慣病に関しても予防していくことが大切です。 普段から過食を控えて糖分を摂りすぎないようにして、適度な運動をして、規則正しい生活を送るようにしていきましょう。 生活習慣を改善することで糖尿病も糖尿病網膜症も防ぐことができますし、すでにかかってしまった人も症状の進行を止めることができます。

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